長浜直子(ながはま なおこ)

株式会社Unleash(アンリーシュ) 取締役
心理カウンセラー
大手企業にての13年間の勤務で鬱を発症し、人生の全てにリセットがかかる。
その時、運命的に心理学に出会い、本格的に学び始める。
自分自身を見つめることで、鬱も完治したことで、 心理学の素晴らしさを実感し、心理カウンセラーになることを決意。
現在は夫と共同経営する会社にて、「離職率0を実現する企業創り」を実現すべく、社員教育の一環として心理カウンセリングを推進している。
また後進の心理カウンセラーの育成にも熱意を注いでいる。

心理カウンセラーの長浜直子さんにお話しをお伺いいたしました。
現在、ご夫婦で事業を興され、企業に対して離職率を低下させるための社員研修をご提案されています。
その社員研修の一環として、心理カウンセリングをご提供されておられるのですが、そこには企業の社員を輝かせたいという強い想いと、ご自身も経験された壮絶な体験がありました。
「女性講師.com」のテーマも、企業に対しての離職率低下を目指していますから、同じ想いで活動されている方のお話しがお伺いできるのが、大変興味深いです。

インタビュワー 株式会社hug マネジメント 北村壮一郎

文章構成:小川志津子

北村:
まず、長浜さんがされている活動について、教えていただけますか。

長浜さん:
私たちは、クライアント様の生産性を上げ、人間関係の質を向上させるための、「総合コンサルタント」といった活動をしております。
私自身は心理カウンセラーでもあるのですが、やはり生産性を上げるとか、離職率を下げるために、一番重要なことは、リレーション・ビルディングです。
つまり、人間関係をいかに再構築して、絆を作っていくかが重要なんですね。
ですので、そういった視点から、働きやすい職場づくりを目指した、研修をさせていただいています。

北村:
「私たち」ということは、ご一緒に活動されている方がおられるのですか?

長浜さん:
はい。夫と会社を立ち上げました。
夫が社長で、私は社長を取り締まる役ということで(笑)。
彼も企業向けの研修やコンサルタントをしています。

北村:
離職率を下げるために、カウンセラーとしてのキャリアを活用されるようになったのは、どういった発想によるものですか?

長浜さん:
研修中に気づきを得たり、変わっていかれる方は、もちろんたくさんおられるのですが、それでも、どうしても習慣化できなかったり、現場の仕事に落とし込めなかったりする方もあるんですね。
そうなると、それは「人間関係づくり」というよりも、個人の中での否定的な解釈、例えば、「どうせ自分には無理だ」とか「自分は役に立たない」とか、「会社にとって自分は価値のない存在だ」というような、周囲にはどうすることもできない領域の話になってきてしまうんです。
それらの悩みに向き合うには、誰もこぼれ落ちることのない、1対1のカウンセリングがどうしても必要で。
ですので私たちは、研修もできますし、1対1のカウンセリングもできますよ、というのが、強みのひとつだと思っています。

北村:
「研修して終わり」ではなくて、研修とカウンセリングの双方向からサポートする、ということですね。

長浜さん:
そうですね。研修の種類も様々です。
一般社員さんに向けたものや、リーダーや管理職向けのものなどですね。
「自分の仕事さえやっていればいいや」というように、一人称で仕事をしていた一般社員が、
「あの上司のために」「あの仲間のために」と、誰かを思う気持ちを持って働けるようになり、それが「職場のために」「会社のために」「世の中のために」と、自分の視点を広く持てるようになり、理念浸透が進みます。
それをゴールとして、離職率と生産性に悩む経営者さまのお力になりたい、という思いが、私たちには強くあります。

北村:
これから会社が育っていくための、組織力づくりはとても大切なことだと思います。
となると、今、主に関わっておられる企業さまは、どれくらいの規模のところが多いのですか?

長浜さん:
誰もが知っている大企業というよりは、
やはり中小企業の経営者様の方が、圧倒的に多いですね。

「仕事をしないと認めてもらえない」という呪縛

北村:
心理カウンセラーとしてのキャリアについてもお伺いしたいのですが、カウンセラーになられたのは、どういったきっかけでしたか?

長浜さん:
私はもともと大手企業に務める会社員だったんですね。
13年間働いたのですが、最後の3年間は、うつになって入院をして、休職して、辞める、という形になってしまったんです。
その原因を掘っていくと、我が家は親子関係がとても悪くて、ずっと「自分には価値がない」と思い込んでいたんです。
「なおこはダメだなあ」って、言われながら育ったところがあって。
だから、「ダメ」な自分を見せたくなくて、会社ではめちゃくちゃ高飛車に振る舞っていたんですよ。

北村:
今の長浜さんからは想像もつかないですね!

長浜さん:
でしょう?(笑)本当に尖っていました。
「そんなこともできないの?」とか、「一回しか言わないけど、メモ取らなくて大丈夫??」とか。
あと、上司から仕事を言いつけられても、「それは私の仕事じゃありません!」って断ったりとか。

仕事は、すごくできたんです。
昇進試験も同期で一番に受かったり、お給料も、同期の誰よりもいただいていたり。

でも、父からの否定的な言葉で育ったので、根っこの私の中には、まったく自信がありませんでした。
だから、「仕事をしないと認めてもらえない」という強い思い込みがあったんですね。

北村:
それはつらいですね。

長浜さん:
ある日、家から一歩も出られなくなったんです。
その1週間後には、髪の毛が全部抜けてしまって。
病院に行ったら「うつ病だから即入院」と言われて、そこから何ヶ月も病院で過ごすわけですが、その時、切実に、「変わりたい!」と思ったんです。
自分の足で、自立したい!と。
それで、心理学やカウンセリングを学び始めたのが、一番最初のきっかけでした。

北村:
その頃からプロを目指しておられたのですか?

長浜さん:
いえ、まったく。でも、どうせ学ぶのなら、プロを目指した講座を受けたほうがいいなと思ったので、とあるNPOのカウンセラー養成講座を受けました。
そしたら周りの方たちが、「絶対カウンセラーに向いてるよ!」とか、「カウンセラーになった方がいいよ!」と言ってくださって。

北村:
何らかの兆しがあったわけですね。

長浜さん:
自分では、それが全然わからなかったんです。
カウンセラーになるなんて恐れ多いし、あくまで自分自身のための学びでしたから、誰かのためになるなんて、思ってもいなかった。
だけど、ある時、気がついたんです。
私は、人によって傷ついてきたけど、人によって、癒やされてもきた、と。
それで、家族との関係を思い返してみたんです。
これまでどうしてうまくいかなかったのかな、と。
それで、思い至りました。
自分の話を、ちゃんと聴いてくれる人が、いなかったんだなあということに。

北村:
ほんとうは、聴いてほしかった。

長浜さん:
「話を聴いてもらう」ということが、その人の存在承認になるんだということを、
そのとき、すごく痛感したんです。
話を聴いてもらうことで、満たされて、開放されたり、気づきを得たり、やる気が出たりする。
あと大事なのは「マイナスの思い込み」です。
過去に起きた出来事そのものが問題なのではなく、過去に起きた出来事を「どう解釈するか」が、人生を決めるのだということを学んだんです。
私は、「自分はダメな人間だ」ということを、動かせない事実のように思ってきたけど、それは「解釈」に過ぎないし、その解釈を肯定的に変化させることが、ものすごく重要なのだと痛感したんですね。
じゃあ、同じように苦しむ人に対して、今の自分にできることが、あるのかもしれない。
そう思うようになりました。
休職期間が終わって、「会社に戻るか辞めるか決めてください」と言われたときに、私はもうちょっとカウンセリングを勉強してみようかな、って思ったんです。

ひとりの変化が、会社全体を変える

北村:
実際にカウンセラーになってみて、心境の変化はありましたか?

長浜さん:
「天職だな!」って思えるようになりましたね。
うつ、パニック障害、不安障害など、たくさんの病名がついた時は苦しかったけれど、あの経験があったから、今の自分がある、というふうに思えるようになりました。
よく「困難や苦難の中に使命がある」とか、「艱難辛苦が砥石のごとく人生を磨く」って言われますけど、その意味が、やっと、本当にわかったというか。
苦しいことやつらいことも、自分に起きることはすべて意味があるんだなと思います。

北村:
その後、どんなふうにキャリアをスタートさせたのですか?

長浜さん:
最初は、人の紹介を経て、電話カウンセリングや、対面カウンセリングをしました。
のちに企業向けの活動をしていくわけですが、一般の方であろうと、企業の方であろうと、やはりすべては「人間関係」なんですよね。

北村:
仕事って、そうですよね。

長浜さん:
一人で活動していた頃と、企業の方を相手にしている今とで、何が違うかというと、カウンセリングの内容自体は、何も変わらないんです。
ただ、企業様に出会い、入っていくことが、とても大変です。
「カウンセリング」というと、ちょっと怪しい印象があったり、今だに「病気の人がやるものだ」という認識があったりしますから。
ですので、社会や企業様の信頼を得ることが、とても大切だと思って、各種の資格を取ったりしました。

北村:
企業向けのカウンセリングをしてみて、実感したことはありますか?

長浜さん:
やっぱりすべては人間関係であり、思い込みであり、親子関係なのだということです。
未来へ向かうためのビジョンづくりのために来られた方も、何らかのブレーキがかかっていて、その正体を掘り下げると、結局、人間関係や思い込みや親子関係だったりされるんですよ。
ですので、企業であろうと個人であろうと、色眼鏡で区分けすることはしないようにしています。
ひとり対ひとりの、人という存在として、関わっていますね。

北村:
そうすると、様々な方の、様々な変化をご覧になってこられましたよね。

長浜さん:
そうですね。本当に変わられます。
最初に出会った頃、私が研修させていただいた時には、頑として腕を組み、にこりともせず、目も合わせてくださらなかった方が、カウンセリングさせていただいたら、激変されました。
その方は夫が担当していたのですが、終わってから彼が、「○○さんすごいよ、腕も組まないし、すっごい笑顔なんだよ!!」って。

北村:
180度、変わられたわけですね。

長浜さん:
そうすると職場の人間関係も変わりますし、会話も増えるし、仕事の効率が上がるんですね。
その企業の社長様がとても喜んでくださって、「全員に受けさせたい!」とおっしゃっていただいて、今に至るんですけれども。

北村:
職場におけるカウンセリングの効果を、社長様も実感されたと。

長浜さん:
働き方が、大きく変わりますからね。
ひとつの店舗を任されているリーダーが変わると、部下との関わり方が変わりますし、お客様との関わり方も変わります。
お店に笑顔が増えれば、お客様もうれしいですしね。
そうすると本当に、売り上げも変わっていくんです。
となれば、会社全体も変わっていく。
ありがたいことに、「研修もカウンセリングも、絶対必須だね!」と、言ってくださるクライアント様が、複数おられるんですよ。

マネジメントは「聴く力」と「関わる力」

北村:
カウンセリングを受けたことのない読者にとっては、今のお話は不思議でならないと思うんです。
なぜそんなふうに、数回のカウンセリングだけで、大きく変わることができるのでしょう?

長浜さん:
やはり一番大きいのは、ご自身の力だと思います。
「上から言われたから来た」という方もおられますし、もちろん、緊張もされると思うのですが、結局は、その方が自分と向き合うことができるかどうかが、一番、大きいと思います。
あとは、先ほどお話しした、「思い込み」をほどいていくことですね。
出来事そのものが悪いのではなく、出来事があって、それを解釈する自分がいて、その解釈に感情や行動がついてくるものなので、まずはその「思い込み」を変えていくことが必要で。
ずっと重荷だと思っていたけど、これって自分が勝手に思ってただけなんだ!勘違いだったんだな!っていうことに気づいていくんです。
全部、自作自演だったんだな!って(笑)。

北村:
その方にとっての障害になっているような、
価値観やあり方を手放すためのお手伝いですね。

長浜さん:
そうです、そうです。
毎日がつらくて苦しいものだとしか思えない人の、メガネをはずして、解放させてあげるという。

北村:
ということは、企業の中でも、働く人をつらくさせてしまう、足の引っぱり合いが多いですか?

長浜さん:
多いですね。
やっぱり、言葉なんですよね。
人は、言葉に傷つく生き物ですから。
言った側はそんなつもりがなくても、ちょっとした一言ですごく傷ついて、自己否定に走ったり、自分を責めている方が、本当にたくさんおられます。
だから、周りの方には、言葉の使い方や関わり方を学んでいただきたいですし、ご本人には、自分の考え方は自分で変えられるんだと、実感していただきたいなと思いますね。

北村:
そういった、ものの考え方を変える手助けの一方で、人間関係をより充実したものに変えていくための研修も、ご提供内容のひとつなのですね。

長浜さん:
そうですね。
研修の内容はやはり関係構築、リレーション・ビルディングがベースです。
その中で、私はプロのカウンセラーなので、プロの傾聴力や表現力をお伝えしています。
人材資源活用とか、マネジメントというのは、やはり「聴く力」であり「関わる力」なんですよね。
いかに、部下と関わるのか。
モチベーションや主体性を、どう育てるのか。
それについては、カウンセラーとしてお伝えできることが、たくさんあるんです。
ですから私たちは、そういった能力に、「面談力」という名前をつけました。
目標を達成できたかできなかったか、とか、やれたこととやれてないことを指摘されるだけの時間ではなく、マンツーマンで関係を築きながら、相手をやる気にさせる力が必要だと思うんです。
それは何も、いわゆる1対1で行う、「面談」に限られたことではありません。
営業さんが、お客様の話を、きちんと聴けるようになることも「面談力」のひとつ。
ですので、場合によっては、より特化した「面談力」をつけようということで、「聴く力」と「関わる力」、さらには、相手を悩みから解放してあげるスキルまで、お伝えすることもありますね。

ひとりひとりが笑顔で、世界一の幸せを!

北村:
すぐに現場で使えることばかりですね。
社員同士のコミュニケーションだけではなく、各店舗のアルバイトスタッフに至るまで、それを浸透させることができれば、組織力になるでしょう。

長浜さん:
私たちはまず、研修を通して人間関係を良くし、働きやすい快適な職場環境を作るために、大切にしたい6項目を掲げているんですね。
相互理解、受容、気づき、対話、傾聴、表現力。
それを活用しながら働けるようになるための研修として、9つの研修プログラムをご用意しています。

北村:
クライアント様の職種に応じた、メニューづくりをされているわけですね。

長浜さん:
先ほどお話しした「面談力」をつけるためのものもあれば、会議をうまく運べなくてお困りの企業様には、「サムライ会議」というメニューをご用意していますし、研修で学んだことを持続できないのであれば、社内トレーナーを育成するプログラムもあります。
会社の理念を浸透させるためのプログラムや、最終的にはブレーンを養成することもできます。
これらのプログラムを、企業様ごとにカスタマイズして、実際のお悩みに最適なプログラムをお作りできるんです。
お値段も、ご相談に乗らせていただきます。

北村:
では最後に、今後のビジョンを聞かせてください。

長浜さん:
カウンセラーとしても、アンリーシュとして研修をさせていただく立場からも、ひとりひとりが笑顔で、世界一幸せを実感できる場を創っていきたいと心から思っています。
最近、「こころcafe」というワークショップを始めたんですね。
カフェといっても、喫茶店ではありません。笑
誰もがひとつ持っている、こころのコップをみたすひととき。
自信と幸せを実感する癒しと成長の空間、それがこころcaféです。
皆さん、日々、ストレスを感じておられるじゃないですか。
でも、ここに来ると、学びだけでなく、嬉しいとか、楽しいとか、大好きとか、
そういうハッピーな気持ちになれる場所を提供したくて。
そして、満たすだけではなく、こころを鍛える場でもあり、実は、それがとても大切なんです。
わたし自身の経験から、承認、今を生きる、そして、事実に対する解釈を変えていく、ということが幸せに生きるのに最も大切なことだと考えます。
このマイナスをプラスに変えていく、ということが、弊社アンリーシュのコアのメッセージでもあり、ストレスや人間関係に振り回されない幸せな自分には絶対必要なんです。
こころcaféや、研修や、カウンセリングや、いろいろな手段がありますが、まずは私から、身近で大切な人から、会社から、幸せがインサイドアウトでいずれは日本中に広がって、アンリーシュっていい会社だよね、っていわれるように、がんばります。
誰の心も身体も、病気にならない社会づくりに貢献し、一人でも多く笑顔にすることが、日本を豊かにすること、世界平和、地球を救うことになると心から信じています。

長浜直子(ながはま なおこ)
株式会社Unleash(アンリーシュ) 取締役
心理カウンセラー
大手企業にての13年間の勤務で鬱を発症し、人生の全てにリセットがかかる。
その時、運命的に心理学に出会い、本格的に学び始める。
自分自身を見つめることで、鬱も完治したことで、 心理学の素晴らしさを実感し、心理カウンセラーになることを決意。
現在は夫と共同経営する会社にて、「離職率0を実現する企業創り」を実現すべく、社員教育の一環として心理カウンセリングを推進している。
また後進の心理カウンセラーの育成にも熱意を注いでいる。